I. はじめに

ここ数年の間、サイエントロジーに関する論争がヨーロッパ、特にドイツで起こっているのだが、その論争はこの宗教団体の本当の社会的な意志を誤解しているように思われる。

哲学および宗教の知識がある者からみると、サイエントロジーに対して論争の余地はない。だが、総括的な宗教的現象の知識や、宗教的現象のさまざまな形での顕現に対する知識がないと、不当にも敵対的で非妥協的な態度にさらされてしまうことは想像に難くない。

このような理由で、私はサイエントロジーの宗教に対する結論をこの論文にまとめ、発表することにした。サイエントロジーは、私が何年もの間研究してきた宗教である。研究は、形式的な面(文献、書籍そして哲学)と、より日常的な面(儀式、内部および外部組織、宗教的慣習の観察、そして共同体活動)から、またわが国イタリアだけでなく、他の国(フランスとデンマーク)に対しても行った。

II. 宗教的概念
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