イギリスでは、英国国教会、ユダヤ教、クエーカー以外の宗教団体は、1855年の「礼拝場登録法」に基づいて礼拝場として登録された建物の中でのみ、宗教的な婚礼の儀式を行うことができます。
サイエントロジー教会のある信徒は、ロンドン教会のチャペルで自分の結婚式を挙げられるように、この場所を礼拝場として登録申請しましたが、戸籍本庁により却下されたため、この決定の見直しを求める訴えを起こしました。
最終的に英国最高裁判所は、サイエントロジーを宗教であると認定し、サイエントロジー教会ロンドンのチャペルは「礼拝場登録法第2条に該当する、宗教的礼拝のための会合場所である」という判決を下しました。 最高裁はこれに基づいてサイエントロジーのチャペルを礼拝場として、また婚礼を執り行う場所として登録するよう戸籍本庁長官に命じました。 これにより、サイエントロジーはこの国で宗教としての完全な認可を獲得したのです。
判決に至る過程で、最高裁は1855年の礼拝場登録法において使用された「宗教」の定義を見直しました。
最高裁判所判決の段落57において、宗教は以下のように定義されています。
「信者の集団によって保持される精神的あるいは非世俗的な信仰体系。宇宙における人類の位置付けならびに無限の存在との関係を説明すると主張する。またその信者に対し、いかにその信仰体系に関連した精神的理解に合致するように自らの人生を生きるべきかを教えるとされる。」
この定義に基づいて、英国最高裁判所は以下の評決を下しました。
「宗教の意味に関して私が取ったアプローチに基づけば、サイエントロジーがその枠内にあることを示す証拠は十二分にある。」
最高裁は「宗教的崇拝」を「あらゆる宗教行事」を含むことができる広範なものとして解釈しました(62段落)。その上で、サイエントロジー教会ロンドンのチャペルは「礼拝場登録法第2条に該当する、宗教的礼拝のための会合場所である」という判決を下しました(65段落)。 最高裁はこれに基づいてサイエントロジーのチャペルを礼拝場として、また婚礼を執り行う場所として登録するよう命じました。
サイエントロジーが正真正銘の宗教であることは、数多くの政府機関と民間の権威によって公的に認められています。
- 英国関税消費税庁(現歳入関税庁)は、同教会を宗教団体に分類しています。
- 内国歳入庁は、同教会の職員は財政的な報酬のためではなく宗教的な献身として奉仕していると裁定しました。
- 国家統計局は、サイエントロジーを教会として分類しています。
- 独立テレビジョン委員会は、同教会を英国のテレビの教会広告主として受け入れると明言しました。
- ラジオ委員会も、同教会を英国のラジオの教会広告主として受け入れると明言しました。
- 防衛省は、英国海軍においてサイエントロジー宗教を正式に認定しました。
- ダービー大学の宗教資料・調査センターは、サイエントロジーを英国人権法に基づく宗教であると述べています。
- ウエストミンスター市財務課は、サイエントロジー教会が「地域社会にとって有益な目的を持つ」慈善団体の資格を満たしていると認識しています。
- 通商産業省は、「雇用の平等(信仰や宗教)規制に関する注記」を刊行し、その中で「サイエントロジーはヨーロッパ人権裁判所によって認定された宗教である」と記述しています。
- ロンドン市は、サイエントロジー教会は「慈善目的のみのために設立された団体ないし組織」であり、その財産は「全面的に、または主として慈善目的のために使われている」という理由で、2006年にロンドンのサイエントロジー教会の固定資産税を免除しました。
「私は…クイーン・ビクトリア通り 146番地の
チャペルは宗教的礼拝のための
集会の場であることを宣言する。」